今回は、フクロモモンガが頭を擦るマーキング行為について紹介します。フクロモモンガのオスは、相手に頭をスリスリ擦り付けて自分の臭いを付けます。マーキングする相手が他のフクロモモンガであったり、時には飼い主さんに対して頭を擦り付けることもあります。それでは、この行為にどのような意味があるのかを確認していきましょう。
フクロモモンガが頭をスリスリ擦るマーキング
野生のフクロモモンガは、10匹程度の小規模な群れを作って暮らしています。群れにはリーダーとなるオスのフクロモモンガが存在し、群れの仲間全員がリーダーの臭いを付けています。つまり、この臭いが仲間である証というわけです。
フクロモモンガのオスには頭と胸に臭腺があり、この部分を擦り付けてマーキングする習性があります。発情期になると、オスのフクロモモンガは、メスの体にスリスリ頭を擦ることでマーキングします。
ペットとして飼育しているフクロモモンガも、オスを含む多頭飼いをしている場合は、頭を擦り付ける仕草を見ることがあります。基本的には、オス同士の多頭飼いはケンカをする恐れがあるのでNGですが、繁殖を目的にオスとメスを同居させている場合は、同様のマーキング行為を見ることができます。
臭腺がある頭や胸を擦り付ける方法以外では、尿の臭いで自分のテリトリーを主張することもあります。縄張りを主張したい場所や相手に少量の尿をかけて臭い付けをします。
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臭い付けされていないフクロモモンガは攻撃される
野生のフクロモモンガは、同じ群れで生活する全員が、群れのリーダーの臭いを付けています。たとえば、この群れに臭いを付けていない別の群れのフクロモモンガが入ってきたら、すぐにリーダーに攻撃されてしまいます。群れのリーダーは得体の知れないよそ者から自分の群れを守る義務があるわけです。
多摩動物公園のニュースにとても興味深い情報がありました。フクロモモンガの2つの群れを同居させるために悪戦苦闘するという内容です。同居させるために行った作戦の1つは以下の通りです。
◎作戦1「匂いつけ作戦」
優位である大きな群れにいるオスの臭腺を、もう一方の群れのメスに擦りつけ、仲間だと思わせるという作戦です。しばらく同じケージに入れてようすを見ていると、匂いをかいでも襲おうとせず、一度は成功かと思われたのですが、その後すぐにばれてしまい、作戦は失敗に終わりました。引用元:東京ズーネット
このことから、おそらくフクロモモンガの群れのリーダーは、尿をかけたり頭を擦ることで臭い付けをして、しばらく経って臭いが薄れた頃に再び臭いを付ける、このことを日々繰り返して再度確認しているのではないかと推測できます。
多摩動物公園で行ったフクロモモンガの同居計画は、その他の作戦もあるので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
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フクロモモンガが飼い主さんに頭を擦り付ける
オスのフクロモモンガを飼育していると、時には飼い主さんの衣類などに頭をスリスリ擦ることでマーキングすることがあります。
特に、フクロモモンガの臭いが付いていない新しい服を着ていると、尿を少量かけてマーキングしてくることがよくあります。
これは、フクロモモンガが飼い主さんのことを仲間であると認識している証です。フクロモモンガが自分の臭いが付いていないものは、どうしても落ち着かないのでしょう。
オスのフクロモモンガが飼い主さんに頭を擦り付けてくる時は、発情期の生理的な行動ということも考えられます。フクロモモンガが「大好きな飼い主さんはボクのものだ」と主張しているのかもしれませんね。
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