フクロモモンガは、一般的にモモンガと呼ばれるモモンガ族に属する哺乳類とは違い、腹部に育児用の袋をもった有袋類に分類される動物です。
モモンガ族に属する動物は、ニホンモモンガやアメリカモモンガ、タイリクモモンガなどがいますが、今回はアメリカモモンガの生態を例に挙げて、フクロモモンガとの違いを紹介します。
フクロモモンガとモモンガの違い
フクロモモンガ
双前歯目-フクロモモンガ科-フクロモモンガ属
メスには育児用の袋がある有袋類(カンガルーの仲間)
オーストラリア北部・南部・東部、タスマニア島、インドネシア、パプアニューギニアなどに生息する
毛色はグレーに黒の縞模様が特徴
食性は草食傾向が強い雑食(アカシアやユーカリの樹液、果実、花粉、昆虫)
アメリカモモンガ
げっ歯目-リス科-アメリカモモンガ属
育児用の袋がない哺乳類(リスの仲間)
アメリカ東部、カナダ南東部、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラスなどに生息
毛色は主に茶色で腹部がクリーム色
食性は草食傾向が強い雑食(木の実、果実、樹皮、花、昆虫)
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フクロモモンガはカンガルーの仲間、アメリカモモンガはリスの仲間
フクロモモンガとアメリカモモンガは、いずれも体長20cmほどの小型の動物で、木々の間を飛行して移動するための「皮膜」をもっていることなど、共通する特徴が見られますが、分類上に大きな違いがあります。
フクロモモンガは、双前歯目-フクロモモンガ科-フクロモモンガ属に分類される動物で、カンガルーやコアラ、ウォンバットなどの仲間です。双前歯目は、主にオーストラリアに生息する有袋類が多いです。
フクロモモンガの生息地は、オーストリアの北部・南部・東部、タスマニア島まで広く分布していて、その他にもインドネシアやパプアニューギニアで生息が確認されています。
フクロモモンガのメスは、腹部に「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる育児用の袋をもっていて、この中でまだ未熟な子供を育てるのが特徴です。
一方、アメリカモモンガは、げっ歯目-リス科-アメリカモモンガ属に分類される動物で、リスやネズミの仲間です。ですから、育児用の袋はありません。
アメリカモモンガは、その名の通り主にアメリカ東部に生息しています。その他にも、アメリカとの国境付近のカナダ南東部や、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラスなどで生息が確認されています。
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フクロモモンガは縞模様の毛色が特徴
フクロモモンガとアメリカモモンガは、それぞれの毛色に違いがあります。フクロモモンガの毛色は、グレーに黒の縞模様があるのが特徴です。鼻筋から頭の上、背中にかけて、黒いラインがはいっています。
一方、アメリカモモンガは頭部から背中にかけての毛色は茶色です。腹部の毛色は、フクロモモンガとアメリカモモンガのどちらともクリーム色です。
近年、フクロモモンガはペットとして人気が高まり、ブリーディングが盛んに行われて、毛色のカラーバリエーションが増えています。なかには、黒の縞模様が少なく、ほとんどの毛がクリーム色の個体もいます。
食性の違い
フクロモモンガとアメリカモモンガは、それぞれが生息する地域は違いますが、どちらも森林地帯で暮らす動物です。そのため、食性は果実や花などを食べる草食性の傾向が強く、時には昆虫なども食べる雑食性の動物です。
フクロモモンガは、アカシアやユーカリの多い森林地帯に生息しているので、アカシアやユーカリの樹液を飲んだり、花粉を食べることがあります。そして、アメリカモモンガはリスの仲間なので、植物の種子を食べることがあります。
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