ハムスターを飼育した経験がある方であれば、ハムスターが床材を掘るのが大好きな動物だということをご存じだと思います。素早く前足を動かして床材を掘り、後ろ足で外に掻き出す。小さな体を懸命に使って掘り進めていく姿は、なんとも可愛らしいものです。
穴掘りに夢中になるハムスターですが、いったい何のために床材を掘るのでしょうか。今回はハムスターが床材を掘る理由や、土の床材で飼育するメリット・デメリットについて紹介します。
ハムスターが床材を掘る理由
ハムスターが床材を掘る主な理由は2つあります。1つ目の理由は「巣穴作り」のためです。2つ目の理由は「餌を探している」ということが考えられます。それでは1つひとつ確認していきましょう。
巣穴作り
野生のハムスターは、岩場などの狭い空間を好み、そこを巣穴にして暮らしています。巣穴に丁度良い場所がない場合は、自ら地面に穴を掘って巣穴を作ることもあります。地面を掘った巣穴は、時に2mを超えることもあります。深い巣穴作りは、夏の猛暑や冬の厳しい寒さから身を守る意味でもあります。
ペットとして飼われているハムスターも、床材を掘って隠れ家のような空間を作ることがあります。ペットのハムスターには、すでに巣箱が用意されているので、床材を掘った巣穴は必要ないように思われますが、狭くて安心できる空間を自分で作るという習性は、ペットのハムスターでも持っているようです。
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床材を掘って作った巣穴に、餌を持ち帰ってゆっくり食べたり、安心できる空間で思う存分毛づくろいをしたりします。ところが、寝る場所はいつもの巣箱の中という具合です。野生のハムスターの場合は、このような安心できる隠れ家をいくつか持っているものなので、ペットのハムスターも床材を掘って作った巣穴が、いくつかある隠れ家のうちの1つとして使っているということが言えます。
餌を探している
ハムスターが床材を掘るのは、床材に埋もれた餌を探しているということも理由の1つとして考えられます。野生のハムスターは、こぼれ落ちた植物の種子を、土の中から掘り起こして食べることがあります。ペットのハムスターでも、こぼれ落ちた餌を床材の中から見付けることもあります。以前に餌を見付けたという体験から、宝探しのように床材を掘って餌を見付けようとします。
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ペットのハムスターが、回し車で猛ダッシュした後に、床材を掘って餌を探し、再び回し車で走っては、また床材を掘るという仕草を見せることがあります。これは、ハムスターが回し車で走ることで、別の場所に移動したと勘違いして、そのたびに床材を掘って餌を探していると考えられています。
野生のハムスターも餌をお求めて、移動しながら暮らしているので、ペットのハムスターも同様の習性が考えられます。ハムスターが回し車で走る理由については、以前に書いた記事があるので、合わせてご覧ください。
ハムスターを土の床材で飼育するメリット・デメリット
ハムスターの飼育は、木材を細かくしたチップ類を床材に使うのが一般的ですが、ハムスターの掘る習性を活かして、土の床材で飼育することもあります。使用する床材については、お好みのものを使えば良いと思いますが、ここでは、土の床材で飼育するメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ハムスターの尿は、とても濃く臭いもキツイのが特徴です。チップの床材を使っている場合は、頻繁に交換しないといけません。しかし、土の床材にはバクテリアがいるので、ハムスターの糞尿に含まれる臭い成分を自然に分解して、嫌な臭いを軽減してくれるというメリットがあります。
また、土の床材は交換する必要がなく、土に混じった食べ残しや糞などを振るいにかけて取り除き、床材が減ったら新しい土を加えるというのが一般的です。あまりに大きな食べ残しやたくさんの糞は、バクテリアで分解しきれないので、取り除く必要があります。
デメリット
土の床材は、特に梅雨の時期から夏場にかけてカビが発生しやすいのがデメリットです。床材に発生したカビが原因で、ハムスターが肌トラブルを起こすことがあるので注意が必要です。
土の床材は頻繁に交換するものではないので、通気性を良くするなどして管理することが大切です。
おすすめの土の床材
補充用バクテリア
同メーカーより、さらにグレードが高く消臭効果が期待できる床材も販売されていますが、やや高額なので、初めて土の床材で飼育する方は、比較的安価なこちらの床材を試してから、他の床材も検討してみると良いと思います。
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