猫の鳴き声には、その猫の気持ちがたくさん隠されています。
ニャーオやアオーンなど猫らしい鳴き方もあれば、クルルやンー、カカカなど猫とは思えない意外な鳴き方もあります。
猫の鳴き方には個体差があるので、全ての猫に当てはまるとは限りませんが、今回の記事では、猫の鳴き声が意味する猫の気持ちについて紹介します。
フーッ
【鳴き声の高さ】高
【鳴き方】勢いよく息を吐いた音
【どんな時に鳴く】嫌なことをされた時
<猫の気持ち>
●こっちに来ないで
●嫌だからあっち行って
相手に警戒した目線で、勢いよく「フーッ」と息を吐いた時は、「こっちに来ないで」と訴えています。
敵意というよりは、苦手なことや嫌なことに対して抗議している鳴き方です。
勢いよく息を吐き出して、相手に対して軽い威嚇を意味しています。
気の合わない同居猫への軽い威嚇にもなります。
「フーッ」という鳴き方をしたら、猫が何を苦手にしているのかを見極める必要があります。
神経質な性格の猫に嫌なことを繰り返し行うと絆が崩れてしまうことがあるので注意が必要です。
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シャーッ
【鳴き声の高さ】高
【鳴き方】鋭く息を吐いた音
【どんな時に鳴く】怒っている時
<猫の気持ち>
●来たら攻撃するぞ
●それ以上近寄るな
鋭い目で相手をにらめつけて、牙をむき出しにして「シャーッ」と息を吐いた警告音です。
この鳴き方は、相手に対して猫はかなり怒っています。
もしくは相手を危険な敵とみなして、最大級の警戒心を持って「それ以上近寄るな」と訴えているのです。
それでも相手が立ち去らない場合は、攻撃行動にでる場合もあります。
猫はとても賢い動物なので、オス同士の縄張り争い以外では、できだけ争いごとを避ける性質があります。
「シャーッ」という鳴き声は、争いを避けるためのものでもあるのです。
アオーン
【鳴き声の高さ】低~中
【鳴き方】1回鋭くなく
【どんな時に鳴く】我慢できなくなった時
<猫の気持ち>
●邪魔しないで
●ちょっと、やめてよ
愛猫を撫でていたら、突然「アオーン」と鳴かれて逃げられたり、寝ている愛猫にちょっかいを出して「アオーン」鳴かれたりしたことはありませんか?
この「アオーン」という鳴き方は、「ちょっと、やめてよ」という軽い制止を意味しているようです。
「フーッ」や「シャーッ」のような威嚇ではありませんが、ちょっとした苛立ちを意味している鳴き方なのです。
特に猫がまったりしている時間を邪魔された場合に多くみられます。
可愛い愛猫をつつきたくなる気持ちも分かりますが、猫の様子を見てほどほどにしましょう。
ニャーオ
【鳴き声の高さ】中~高
【鳴き方】連続して鳴く
【どんな時に鳴く】相手への呼びかけ
<猫の気持ち>
●ご飯ください
●遊ぼう
猫が相手に目線を向けて、口を大きく開けて「ニャーオ」と鳴く。
この鳴き方は相手への呼びかけを意味しています。
その時の状況によって猫の気持ちは様々で、何らかの要求を示している場合もあります。
たとえば、ご飯の時間に鳴いているのなら「お腹が空いた」かもしれませんし、飼い主さんに向かって鳴いていたら「遊ぼう」かもしれません。
この「ニャーオ」という鳴き方は、子猫が母猫に気持ちを訴える声と同じです。
飼い主さんを母猫と同じように頼りにしている証拠でもあるのです。
ただし、いつも猫の要求に応じていると、猫がどんどんワガママになってしまうこともあるので注意が必要です。
時には「ニャーオ」の鳴き声でも要求が叶わないことを教えてあげることも大切です。
ニャーニャー
【鳴き声の高さ】中~高
【鳴き方】連続して鳴く
【どんな時に鳴く】相手への甘え
<猫の気持ち>
●構ってほしい
●こっち見て
声のトーンはそれほど大きくありませんが、「ニャーニャー」と相手を見て呼びかけるような鳴き方です。
この鳴き声は、甘えたい気持ちの表れで、「できれば構ってほしい」といった、やや控えめなアピールです。
甘えん坊タイプの猫に多く見られる鳴き方ですが、「ニャーオ」や「ナーオナーオ」のように強く主張しているわけではありませんが、なかには「ニャーニャー」と何度も繰り返し要求する猫もいます。
いつでも猫の要求に応じるのではなく、状況をよく見て対応しましょう。
ニャ?
【鳴き声の高さ】中
【鳴き方】1回短く鳴く
【どんな時に鳴く】相手への挨拶、呼びかけ
<猫の気持ち>
●やあ、こんにちわ
●何してるの?
●あれ?何かな?
短く「ニャ?」とひと声鳴くのは、相手への呼びかけや返事を意味しています。
たとえば飼い主さんが猫の名前を呼びかけて時の返事だったり、猫が何か不思議に思うものを見付けた時に、思わず漏れでた鳴き声だったりします。
「ニャ?」という短い鳴き声は、「ニャーニャー」や「ニャーオ」のように相手に要求する気持ちは少ないようです。
また、「ニャ」という短い鳴き声は、同居猫への挨拶としても使います。
ンー
【鳴き声の高さ】中
【鳴き方】1回短く鳴く
【どんな時に鳴く】相手への挨拶、返事
<猫の気持ち>
●やあ、こんにちわ
●そうだね
「ニャ?」と同じように短く1回「ンー」と鳴く時は、相手への挨拶や返事を意味していることがあります。
「ンー」という鳴き方は、同居猫同士の挨拶でも使いますが、飼い主さんからの呼びかけの返事でも使うことがあります。
「ンー」と鳴きながら猫が近づいてくる時は、親しくしたい気持ちの表れです。
ンニャ~オ
【鳴き声の高さ】中~高
【鳴き方】大きな声で断続的に
【どんな時に鳴く】相手を探している
<猫の気持ち>
●どこにいるの?
●こっちを見て、スゴイでしょ
大きな声で「ンニャ~オン、ニャ~オ」と家のどこからか聞こえる時は、猫が飼い主さんを探しているのかもしれません。
この鳴き方は、大きな声で自分の位置を知らせながら「どこにいるの?」と相手に訴えています。
本来、猫は周囲の敵からなるべく身を隠そうとする性質があるので、親しみを持った相手でないと自分の居場所を鳴き声で教えたりはしません。
また、「ンニャ~オ」という鳴き声が強い呼びかけを意味している場合もあります。
獲物を飼い主さんに見てもらいたい時など、ちょっと得意げな時にも使う鳴き方です。
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ミャ~オ
【鳴き声の高さ】高
【鳴き方】小さく断続的に鳴く
【どんな時に鳴く】親しい相手に甘える時
<猫の気持ち>
●お帰りなさい
●撫でてください
飼い主さんが帰宅した時などに、高く小さな声で「ミャ~オ」と鳴きながら、愛猫が体をすりつけてくることがありますよね。
この小さな声の「ミャ~オ」は、「寂しかったよ」「構って」という密かなアピールを意味しています。
控えめな性格の猫が甘えたい時にする鳴き方です。
人懐っこい猫ならば、初対面の人にも同じような鳴き方をする場合もあります。
ナーオナーオ
【鳴き声の高さ】低~中
【鳴き方】連続して鳴く
【どんな時に鳴く】相手に強い要求がある
<猫の気持ち>
●こっちに来てよ
●自分のほうが強い
少しこもった声で「ナーオナーオ」と鳴く時は、「ニャーオ」や「ニャーニャー」よりも強い要求を意味しています。
とにかく、猫が自分のお願いを聞いてもらいたくて必死な様子の時に「ナーオナーオ」と連続して鳴くことが多い。
たとえば、飼い主さんの足元にまとわりつきながら見上げて鳴いていたり、飼い主さんの近くにお気に入りのオモチャをぽとりと落として鳴いてみたりすることもあります。
こんな時は、自分の要求を叶えてもらえずに少々不満なのかもしれません。
また、「ナーオナーオ」という鳴き方は、猫同士の強さのアピールに使われることもあります。
ちょっとしたケンカで自分の存在を誇示したい時に強気な猫が「ナーオナーオ」と鳴きます。
この時の鳴き方は、飼い主さんに何かを要求している時よりも、ややトーンが低く威嚇するように鳴きます。
ゴロゴロゴロ・クルル
【鳴き声の高さ】低~中
【鳴き方】喉を鳴らす音
【どんな時に鳴く】心地よい気持ち
<猫の気持ち>
●は~満足
●落ち着くなあ
猫特有の鳴き声といえば、喉を鳴らす「ゴロゴロゴロ」という声でしょう。
猫がくつろいでいる時に出る鳴き声の「ゴロゴロゴロ」ですが、実は猫によってこの声が「クルル」だったり、「グルグル」だったり、「グ~グ~」だったりと様々です。
突然、猫が「クルルル」と鳴くと、聞き覚えのない鳴き声に飼い主さんが驚いてしまうこともあるようです。
「ゴロゴロゴロ」「クルル」「グルグル」など、喉を鳴らす音が聞こえてくる時は、幸せや満足といった気持ちを意味しています。
この音が大きい時は猫のアピールが強く、小さい時はアピールが弱いと考えられています。
飼い主さんのそばで大きく鳴らしている時は、何らかの要求やおねだりがあるのかもしれません。
それとは反対に、猫が不安な時に喉を鳴らすことがあります。
喉を鳴らすことで自分を落ち着かせようとしているのです。
なかには不満や抗議の意味で喉を鳴らす猫もいるようです。
ウミャ~オ
【鳴き声の高さ】低
【鳴き方】唸るように長く鳴く
【どんな時に鳴く】相手への威嚇、もしくは遊びの誘い
<猫の気持ち>
●ケンカなら相手になってやる
●やあ、遊ばない?
気の合わない猫同士では、どうしても日常的に小競り合いが起こりがちです。
そんな時に聞こえてくる鳴き声は「ウミャ~オ」という威嚇を意味する鳴き方です。
鳴き声というよりも、トーンが低いので唸り声のように聞こえるかもしれません。
猫のケンカの前には、この鳴き方で「自分のほうが強いぞ」「相手になってやるぞ」と鳴き声合戦を繰り広げることもあります。
同居猫同士でこの声が聞こえたら、ケガをする前に引き離すほうが良いでしょう。
それとは反対に、「ウミャ~オ」という鳴き声で遊び相手を誘うこともあります。
相手への威嚇なのか、それとも遊びの誘いなのかは、猫の様子をよく観察して判断しましょう。
シュッ
【鳴き声の高さ】低~中
【鳴き方】短く鼻を鳴らす
【どんな時に鳴く】獲物を見付けた時
<猫の気持ち>
●いくぞっ
●よしっ
獲物を見付けた猫は、頭を低くしてハンティングスタイルをとります。
タイミングを見計らって、いざ獲物に飛びかかった時に思わず鼻から漏れた声が「シュッ」です。
人間に例えると、スポーツなどで集中を解放した時に、思わず発するかけ声のような「いくぞっ」「よしっ」といった気持ちに似ているかもしれません。
猫よっては、「シュッ」の他に「チッ」「ペッ」のような声を出すこともあります。
ハンティングは猫の本能的な行為です。
時には、愛猫が思わず「シュッ」と声を出すような、猫の本能を満たす遊びをしてあげると良いでしょう。
カカカ
【鳴き声の高さ】低~中
【鳴き方】連続した音
【どんな時に鳴く】獲物を狙っている時
<猫の気持ち>
●あいつを捕まえたい
●捕まえられなくて悔しい
窓の外に虫や鳥などの獲物を見付けた猫が、「カカカ」と唇を震わせて歯を鳴らすような声を出しているのを見たことはありませんか?
これは捕食動物が狩りの本能を刺激させて出す鳴き声です。
猫は本能に従って狩りをしたいけれど、窓の外の獲物まで距離があったり、外に出られなかったりしてうまくいかない。
そんな時に歯を打ち鳴らすのは苛立ちを意味しています。
また、猫が獲物を仕留めたことを想像しているとも言われています。
遊んでいる時に「カカカ」と鳴く猫もいますが、これはオモチャを獲物に見立てて本能を満たしているのでしょう。
ギャアアア
【鳴き声の高さ】高
【鳴き方】悲鳴のような鳴き声
【どんな時に鳴く】驚いた時
<猫の気持ち>
●怖いよ
●うわ~やったな
猫も驚いた時や怖い時に「ギャアアア」と悲鳴を上げることがあります。
突然、得体の知れないものに遭遇した時や、家具などから落ちて急に痛い思いをして驚いた時などに出る鳴き声です。
また、子猫同士で遊んでいる時に、軽いじゃれ合いからどんどんテンションが上がって「うわ~やったな」と、はしゃぎ過ぎて出る鳴き声でもあります。
(ミャー)
【鳴き声の高さ】高い周波数の無音声
【鳴き方】口を開いて鳴くしぐさをするのに声が聞こえない
【どんな時に鳴く】母猫を探す時
<猫の気持ち>
●お母さん、助けて
●甘えたい気分
生後2~3ヶ月の子猫が口を開いて鳴いているしぐさをしているのに、鳴き声が聞こえてこない。そんな様子を見たことはありませんか?
猫の聴覚はとても発達していて、人間には聞き取れない周波数の音も聞くことができます。
人間が聞き取れる高音は、約2万Hzまでですが、猫は約6万Hzまで聞き取れると言われています。
猫の獲物だった動物(ネズミなど)が高音の鳴き声なので、それに伴い猫の聴覚も発達したと考えられています。
子猫の無音の鳴き声は、そんな猫の聴力を利用したもので、自分に危険が迫っていても周囲に知られずに母猫に知らせるためだと考えられています。
飼い主さんに「(ミャー)」と無音の鳴き方はする時は、母猫と同じように甘えたい気持ちの表れかもしれません。
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