複数のコリドラスを飼育していると、いつの間にか水槽の壁に卵を産み付けていることがあります。そのまま卵を放っておくと、食べられてしまったり、白いカビが発生して水質が悪くなる恐れがあります。
実はコリドラスの繁殖は、初心者でも挑戦できるほど簡単です。今回は、有精卵と無精卵を見分け方や稚魚の育て方など、コリドラスの繁殖方法を紹介します。
コリドラスの繁殖は初心者でも挑戦できる
青コリ(コリドラス・パレアタス)、赤コリ(コリドラス・アエネウス)、白コリ(アエネウスのアルビノ)、パンダ(コリドラス・パンダ)など、安価なコリドラスは比較的簡単に繁殖するので、飼育初心者でも挑戦することができます。
ただし、やや高価なロングノーズ種のコリドラスは、繁殖の難易度は高まります。
また、同じ品種のコリドラスで繁殖させた場合は、比較的有精卵の数が多いですが、違う品種のコリドラスで繁殖させた場合は、多い時で8割以上が無精卵ということもあるので、初心者が繁殖させるのは難しいです。
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産卵を誘発するには
コリドラスを繁殖させるためには、若くて健康なメス1匹に対して、5匹以上のオスを同じ水槽で飼育することが望ましいです。
繁殖前のメスには、冷凍イトメや赤虫など栄養価の高い餌を与えて、産卵できる体力をつけます。
野生のコリドラスは、雨季に川の水質が変化することがきっかけに産卵すると言われています。雨が多い時期に川の水量が高まり、一気にpHの値が変わることが、コリドラスの繁殖に影響していると考えられています。
ですから、飼育する場合も、水槽の水換えをすることで水質が変わり、産卵を誘発すると考えられています。水を交換するれば、必ず産卵するというわけではありませんが、きっかけ作りになるという程度に知っておくと良いでしょう。
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コリドラス特有の繁殖方法「Tポジション」とは
一般的な魚の繁殖方法は、メスが産んだ卵にオスが精子をかけて受精しますが、コリドラスは全く違う方法で受精します。
コリドラスが繁殖する際には、メスがオスの排泄孔に口をつけて、オスの精子をメスが口に含みます。その後メスの消化管を精子が通り、体内の卵に受精する仕組みです。
メスがオスの横側から排泄孔に口をつける姿が「T」の字に見えることから、この状態を「Tポジション」と言います。産卵間近のメスに複数のオスが群がり、Tポジションを繰り返します。そして、受精後のメスは、水槽の壁や水草などに数十個の卵を産み付けます。
白い卵は無精卵!カビた卵は速やかに取り除く
コリドラスの産卵は数時間かけて続きます。長い時で5時間以上もTポジションと産卵を繰り返すことがあります。産んだ卵をそのまま放っておくと食べてしまうので、産卵途中でも良いので産み付けた卵は産卵飼育用の隔離ケースに回収しておきましょう。
メスのコリドラスは数十個の卵を産みますが、全ての卵が有精卵というわけではなく、中には受精に失敗した無精卵もあります。
産卵直後は、有精卵と無精卵を見分けることは難しいですが、産後2日目ほどから無精卵は白っぽくなってきます。やがては真っ白いカビが発生し、水質悪化の原因になるので、速やかに取り除きましょう。
有精卵は透明な飴色になるのが特徴です。産後4日目ほどから卵の中で稚魚が動く姿が確認できます。そして産卵から5日ほど経つと孵化が始まり、次々と稚魚が卵から出てきます。
産卵・隔離ケース
稚魚の飼育方法
孵化して間もない稚魚の腹部には、「ヨークサック(卵嚢)」と呼ばれる袋状のものがあります。しばらくの間は、この中に含まれる栄養分だけで稚魚は成長します。
ヨークサックがしぼむ頃には、稚魚は自ら餌を食べることができるようになります。初めのうちは、水草などに付着したプランクトンを食べますが、ある程度大きくなったら、ブラインシュリンプなどの稚魚用の餌を与えると良いでしょう。
稚魚の数や成長に合わせて大きな水槽に替えていき、コリドラスは生後2~3ヶ月程度で成体になります。
稚魚用の餌:ブラインシュリンプ
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