ピラルクは体長2m以上まで成長する世界最大級の淡水魚なので、一般家庭で飼育することは困難ですが、アロワナは飼育方法が確立されているので、シルバーアロワナなどの飼育できる種類でしたら、大きな水槽(最低でも150~200cm以上の水槽)と温度管理できる環境が準備できれば、家庭でも飼育できます。本記事では、生きた化石と言われる古代魚のピラルクと一般的なアロワナの違いについて解説していきます。
ピラルクとアロワナの違い
分類上の違い
ピラルクは、アロワナ目アロワナ科に分類される魚なので、大きく分けるとアロワナの仲間になるのですが、一般的にアロワナと呼ばれるシルバーアロワナとは異なる生き物です。
アロワナ科は、ヘテロティス亜科(Heterotidinae)とその他のアロワナ亜科(Osteoglossinae)に大きく分けることができます。ピラルクはヘテロティス亜科に分類される魚で、一般的にアロワナと呼ばれるシルバーアロワナなどは、アロワナ亜科に分類される魚という違いがあります。
ヘテロティス亜科には、南アフリカに生息するピラルクと、アフリカに生息するナイルアロワナ(アフリカアロワナ)が含まれます。ピラルクはヘテロティス亜科アラパイマ属(Arapaima)に分類される魚で、現存するアラパイマ属の魚はピラルクだけです。
アロワナ亜科には、南アメリカに生息するオステオグロッサム属(Osteoglossum)と、アジアやニューギニア、オーストラリアなどに生息するスクレロパゲス属(Scleropages)が含まれます。ペットとして一般的に飼育されるシルバーアロワナやブラックアロワナは、スクレロパゲス属に分類される魚です。
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見た目の違い
ピラルクとアロワナは、共通の祖先をもつ魚なので、舌骨(歯がある舌)があることや、浮袋を肺のように使って空気中から呼吸できることや、全身が大きく硬い鱗で覆われていることなど、非常に似た特徴をもっています。親魚が卵を口の中に入れて、稚魚が大きくなるまで口の中で育てるところも共通する特徴です。
しかし、ピラルクと一般的なアロワナでは、見た目に大きな違いがあります。ピラルクは成魚になると体長2m以上まで巨大化します。アロワナはアロワナ亜科の中でも大型種とされるシルバーアロワナでも、成魚の体長は1m前後です。飼育下のシルバーアロワナは大きくて体長50cm程度です。
ピラルクの頭部は横に平たいのが特徴で、アロワナは突き出した下顎の先に2本のヒゲがあるのが特徴です。アロワナ亜科は2属5種が存在するので、種類によって体色が、シルバー、ゴールド、ブラック、レッド、など様々ですが、ピラルクはアラパイマ属で1種のみです。ピラルクの成魚は、体の後ろの方が赤くなるのが特徴です。ピラルク(Pirarucu)という現地語の名前は「紅い魚」を意味しています。
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ピラルクとアロワナの共通の生息地は南アメリカだけ
ピラルクは1億年以上前から同じ姿で生きてきた古代魚です。今から約3億年前に、地球上にパンゲアと呼ばれる1つの大陸が誕生し、約2億年前から分裂を始めて大陸移動していきます。
地球上にまだ大陸が1つだった頃にアロワナ目の共通の先祖が誕生し、約1億年前にアメリカ大陸とアフリカ大陸が分かれた時に、ヘテロティス亜科のピラルクとナイルアロワナが分かれたと考えられます。
一方、アロワナ亜科の地域性と進化の関係について確かなことは分かりませんが、オステオグロッサム属は南アメリカに生息し、スクレロパゲス属は、アジアやニューギニア、オーストラリアなどに生息しています。
つまり、アロワナ科を二分するヘテロティス亜科とアロワナ亜科の両方が生息するのは、南アメリカだけなのです。このことから、南アメリカのアマゾン川流域がアロワナ科の進化の中心であったとが推測できます。
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