クサガメのオスは、成長とともに全身が黒くなる「黒化(メラニズム)」という現象が起こります。しかし、クサガメのオスだと思って飼育していた亀が、いつまで経っても黒化しないことがあります。今回は、クサガメのオスが黒化しない時に考えられる原因と、メラニズムはなぜ起こるのかについて紹介します。
「黒化(メラニズム)」はなぜ起こるのか?
全身が真っ黒になる「黒化(メラニズム)」は、クサガメのオスだけに起こる現象ではなく、その他の動物でも起こる可能性があります。黒化(メラニズム)がなぜ起こるのかについて簡単に説明すると、黒化は、黒い色素であるメラニンが体内で過剰に生成されることで、全身が黒くなる現象です。
メラニン色素の生成には、脳内(脳下垂体中葉)から分泌されるインテルメジンというホルモンが関与していると考えられています。
動物の体色変化は、細胞の中にあるメラノサイト(メラニン色素を生成する細胞)の拡散や凝集によって起こります。ホルモンの影響でメラノサイトが過剰に拡散すると黒化(メラニズム)が起こり、メラノサイトが過剰に凝集すると白化(アルビノ)が起こります。
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クサガメのオスが黒化しない時は?
クサガメのオスは、成長するとほぼ全てオスが黒化します。そのため、クサガメのオスが黒化しない理由は、「①まだ十分に成長していない」「②実はオスではない」「③本当はクサガメではない」このようなことが考えられます。
①まだ十分に成長していない
クサガメのオスの黒化は、年齢よりも成長速度に依存する傾向があります。ですから、ある程度の年齢になっても、成長速度が遅い個体は、黒化の時期も遅れる傾向があります。
クサガメのオスが黒化する時期は、早くて甲長7㎝程度から始まり、遅くとも甲長15cm程度までには黒化が完了します。
初めのうちは頭部に黒化が見られ、頭部側面の黄色い模様が消失し、やがては甲羅のつなぎ目まで真っ黒になります。
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②実はオスではない
ある程度まで成長しても黒化しない場合は、実はクサガメのオスではなく、メスの個体である可能性が考えられます。クサガメは、子亀の時期ではオスとメスの区別が難しいですが、成長するとメスよりもオスの方がしっぽが長くなります。
クサガメのオスはしっぽの成長とともに、排泄する部分が甲羅の外側に移動するので、この部分の位置を確認するとオスとメスを見分けることができます。
クサガメのメスも高齢になると黒っぽくなる個体もいますが、オスの黒化のように全身が真っ黒になることはありません。
③本当はクサガメではない
クサガメだと思って飼育していたけど、本当はクサガメではない違う種類の亀だったという可能性も考えられます。クサガメを見分けるための特徴は、頭部の側面にある黄色い模様と、甲羅上の隆条(キール)が縦に3列あることです。たとえば、ニホンイシガメの甲羅上の隆条は、中央に1列のみです。
クサガメとニホンイシガメが交雑した「ウンキュウ」と呼ばれる亀も存在します。ウンキュウはクサガメの特徴を強く受け継いでいる個体が多いので、頭部の側面に黄色い模様があります。
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