水槽のコケを綺麗に食べてくれる掃除屋さんとして知られる「オトシンクルス」。しかし、コケ取り要員として水槽に入れたオトシンクルスが、全くコケを食べないということがあります。
コケ取り生体として知られるオトシンクルスですが、どんなコケでも食べるわけではなく、オトシンクルスが好きなコケと嫌いなコケがあるのです。
オトシンクルスが食べるコケ
水槽内に生えるコケの主な種類は、「茶ゴケ(珪藻)」「緑ゴケ(緑藻)」「黒髭ゴケ(クロヒゲゴケ)」などがあります。
この中で、オトシンクルスが食べるコケは、茶ゴケと緑ゴケです。どちらもよく食べますが、緑ゴケよりも茶ゴケの方を好む傾向があります。
茶ゴケと緑ゴケは、岩の表面やガラス面などに薄っすら生えるコケです。名前の通り茶ゴケは茶色のコケで、緑ゴケは緑色のコケです。
茶ゴケは水槽立ち上げ時期などに、水槽の隅に薄っすらと生えることがありますが、いつの間にか無くなっていることが多いです。
緑ゴケは、岩の表面などに生えると水面に向かって糸状に伸びて成長します。
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オトシンクルスが食べないコケ
オトシンクルスは、黒髭ゴケを食べることはありません。黒髭ゴケは、流木や成長の遅い水草などに生えることが多いです。
黒い髭のような見た目から黒髭ゴケと言い、英名でも「Black Beard Algae(黒い髭のような藻)」と呼ばれています。
黒髭ゴケは水槽の美観を損ねるので、どちらかと言うと茶ゴケや緑ゴケよりもオトシンクルスに食べてもらいたいところです。しかし、オトシンクルスがコケを食べない以上は、その他の方法でコケ取りをしないといけません。黒髭ゴケの取り方も合わせて確認していきましょう。
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黒髭ゴケの取り方
オトシンクルスは黒髭ゴケを食べないですが、他の生体で黒髭ゴケを食べることで知られているのが、「サイミーズフライングフォックス」や「シルバーフライングフォックス(別名:アイスポットアルジイーター)」などです。
ただし、水槽の環境によっては、全く黒髭ゴケを食べないこともあったり、コケだけではなく水草まで食べてしまうこともあるので、一概にこの方法が良いとは言い切れない。そんな場合は、クエン酸を使って黒髭ゴケを駆除する方法が効果的です。
まず初めに、200gの水に50gのクエン酸を溶かして、クエン酸20%濃度の溶液を作ります。
次に、黒髭ゴケが付着した水草や岩などを水槽から出して、黒髭ゴケが生えている部分に20%濃度のクエン酸溶液をつけて30秒ほど放置します。
その後は、よく水洗いしてから水草や岩を水槽の中に戻します。
しばらくすると、黒髭ゴケの部分が赤茶色に変色して枯れます。すると、オトシンクルスやヤマトヌマエビなどが枯れたコケを食べて綺麗に掃除してくれるようになります。オトシンクルスやヤマトヌマエビは枯れる前の黒髭ゴケは食べませんが、枯れたコケは食べてくれます。
水草をクエン酸溶液に長時間浸けると、黒髭ゴケだけではなく水草も枯れてしまうことがあるので注意しましょう。また、水草や岩に付着した微量のクエン酸によって、水質が変化することがあるので、こまめに水替えするようにしましょう。
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