水槽に発生した油膜をそのままにしておくと、見た目が悪くなるだけではなく、水槽内の生体に悪影響を及ぼすことがあります。
水面に浮かぶ油膜をキッチンペーパーなどで取るだけでは、根本的な解決にはなりません。水槽に油膜が発生する原因と、除去方法をしっかり知っておくことが大切です。
水槽の油膜の原因
水面に浮かぶ油のようなものの正体は、タンパク質が主成分になっています。このタンパク質の主な原因は、熱帯魚の糞や餌の食べ残しです。
熱帯魚の排泄物から溶け出したタンパク質が水面に浮かんできて、空気に触れることで酸化して、アンモニアなどの有害物質となり、水槽の水質悪化を招くことになります。
さらに、細菌が繁殖するので、あっという間に水面に油膜が広がってしまいます。できた油膜を一度除去しても短時間で何度も発生することもあるのです。
濾過能力が不十分
水槽に設置しているフィルターの濾過能力が弱いと、油膜が頻繁に発生することがあります。
水槽を立ち上げたばかりの頃は、アンモニアなどの有害物質を分解してくれるバクテリアが、まだ定着していないので、生物濾過が十分にできずに、油膜が発生することがあります。
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生体の入れ過ぎ・餌の与え過ぎ
水槽の大きさに対して、多くの生体を入れ過ぎていると、排泄物から発生する有害物質が多く、それを除去しきれずに油膜が発生してしまうということがあります。
また、水槽に対して適切な生体数であっても、熱帯魚が食べ切れないほどに餌を与え過ぎてしまうと、食べ残しが原因で油膜が発生しやすくなるので注意が必要です。
バクテリアの死骸
バクテリアも生き物なので、酸素が必要です。特に有害物質を分解する際に多くの酸素を消費します。
しかし、フィルターの目詰まりなどで通水性が悪くなると、フィルター内に生息するバクテリアが酸欠状態になり、死滅したバクテリアが水面に浮かんで油膜になってしまうことがあります。
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水槽の油膜の除去方法
水槽に発生した油膜をすぐに除去したい時は、キッチンペーパーやティッシュペーパーを水面に浮かべて油膜を取るという方法がよく知られていますが、油膜は一度発生すると何度も発生することが多く、水槽の環境を改善しないと、根本的な解決にはなりません。
水槽の油膜の除去方法は、「エアレーション」「油膜を食べる生体を導入する」「油膜除去用品を使う」などがあります。
エアレーション
水面に溜まった油膜に向かってエアレーションすることで、泡が水面で弾けて油膜が分断し、それがフィルターに吸い込まれて除去することができます。
エアレーションはフィルターの吸水口から遠い位置に設置し、吸水口に向かって水流を作るようにすると、油膜が溜まりにくくなります。
ただし、水草の成長を促すために水中に二酸化炭素を添加している場合は、エアレーションをすると空気中に二酸化炭素が出ていってしまうので、その場合は、水草が光合成をしない夜間だけエアレーションをすると良いでしょう。
油膜を食べる生体を導入する
熱帯魚の中には、油膜を食べる生体が存在します。それはブラックモーリーという卵胎生メダカ系の熱帯魚です。
ブラックモーリーは、油膜を食べてくれる有難い熱帯魚なのですが、グッピーを代表とする卵胎生メダカ系の熱帯魚は繁殖力が強く、ペアで飼育すると、どんどん増えていってしまいます。
ブラックモーリーもペアで飼育すると必要以上に増えてしまうことがあるので、油膜除去のために水槽に入れるのであれば、オスのみ、またはメスのみの飼育にしておいた方が無難です。
油膜除去用品を使う
水槽に発生する油膜は、アクアリスト達を悩ませる定番の問題です。ですから、この問題を解決するために、各メーカーで様々な商品が販売されています。
いろいろな商品がありますが、水面に浮かぶ油膜やゴミを吸引するという基本的な構造はほぼ同じです。
コンパクトポンプ内蔵
この商品は、水面に付近に設置することで、油膜やゴミを除去してくれる便利なペット用品です。
この商品は、コンパクトサイズのポンプが内蔵されているタイプで、吸水部分が水面に合わせて上下に3cm移動できるので調節が簡単です。
CO2添加もできる
この商品は、水面に浮かぶ油膜を除去すると同時に、CO2添加用のミキシングポンプとしても使用できます。水草のためにCO2添加する際にとても便利です。
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