猫には鎖骨があるため、前足を広範囲に動かすことができます。(実は犬には鎖骨がありません)そのため、猫は前足を自在に使って様々な行動をとります。
たとえば、前足をたたむ「香箱座り」。両方の前足をフミフミするしぐさ。前足で軽くチョンチョンとつつくしぐさ。いろいろな不思議な行動を見せてくれます。
今回の記事では、そんな猫の前足に関する不思議な行動について紹介します。
香箱座りはリラックスタイム
猫が両方の前足を体の下にたたむ姿勢で、背中と後ろ足を丸めて座っている。これが「香箱座り」です。
猫を上から見た姿が、香木や香料を入れる「香箱」に似ていることから名付けられました。
前足を深く折りたたんだ「香箱座り」は、いざという時にあまり俊敏には動けません。だから、猫が比較的リラックスしている時に見られるしぐさです。そのまま眠りに入る猫もします。
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前足が体の下に入っていない通常のフセの状態では、すぐに動ける体勢でもあるため、「香箱座り」ほどくつろいでいないとも言えます。
「香箱座り」のまま眠りに入ると、睡眠中に固まってしまった筋肉や関節をほぐすために、前足をグーンと伸ばして伸びをすることがあります。
猫が伸びをするしぐさは、こわばった体をほぐしつつ、気分をリセットさせる意味合いもあります。
猫が隙間に前足を入れたがる理由
猫を飼っている人によく聞くのが、飼い主さんがトイレに入っているとドアの下の隙間から猫の前足がムギュッと出てくるという話です。
その他にも、カゴの網目の隙間に前足を突っ込んだり、ベッドの下の隙間から猫の前足が飛び出ていたり、といった話も聞いたことがあります。
なぜ猫は隙間に前足を入れたがるのでしょうか。実はこれも野生時代の名残と言われています。
野生時代の猫は小鳥や小動物を捕まえるために木や土の穴に前足を入れて、獲物を探っていたと言われています。この本能が残っていて、隙間や穴に前足を突っ込みたくなるのでしょう。
ちなみに前足に引っかけてスリッパを持っていこうとする猫もいるとか。獲物に見立てているのかもしれません。
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猫は狭いところが好き
ダンボール箱や紙袋、フライパン、鍋など、猫は狭い所に入ることが大好きです。これも野生時代の名残です。
野生時代の猫は、狭い穴の中でとってきた獲物を食べたり、就寝したりしていました。狭い場所は天敵が入ってこられない安心・安全な空間だったからです。
そのため、自分以外のものが入ってこられない程度の狭い穴を好みました。時には体があふれんばかりのサイズの箱に入ることもあります。これが猫にとって天敵が襲ってこない安心のサイズなのです。
この名残で現代の猫も、体が入るギリギリのサイズを好みます。穴蔵のような形のベッドが猫に人気なのもこれが理由です。
そもそも猫は危険に対して敏感な生き物です。野生時代の猫は基本的に1匹で生活していたため、危険を避けることが最重要でした。
現代の猫にもその名残があって、危険や恐怖を感じると姿を隠してしまいます。猫を飼っている家に遊びに行ったのに、猫が出てこなかったという経験のある人も多いと思います。
猫が隠れて出てこないという行動は、特にシャイで神経質な性格の猫に多く見られます。そんな時は無理強いは禁物です。
隠れた猫は連れ出したりせずに、そっとしておいてあげましょう。次第に慣れてくれば、自分から姿を現す猫もいます。
前足でフミフミするしぐさ
毛布やベッドを前足で交互に押してフミフミする猫をよく見かけます。懸命に足踏みするようなしぐさが可愛い。
このしぐさは、子猫が母猫の乳を飲む時に揉む行動からきていると考えられています。生まれたばかりの子猫でもフミフミと足踏みすれば出が良くなることを本能的に知っているのです。
この記憶が残っているために毛布やベッドを前足で揉むと言われています。母猫の柔らかさに近いものを好むのでしょう。
暖かくて柔らかい毛布やベッドは、母猫に抱かれていた幼い頃を思い出すのかもしれません。時には飼い主さんの体を揉む猫もいますが、そんな時は猫がリラックスしていることは間違いありません。
猫が前足でチョンチョンと軽くたたく時の気持ち
猫独特のしぐさといえば「猫パンチ」です。対象物を前足でパンパンたたくようなしぐさで、パンチをしているようなしぐさです。実は犬には体の構造上の問題で猫パンチのような柔軟な前足の動きができません。
猫パンチを出すシチュエーションは様々です。一番多いのはオモチャなどで遊んでいる時ではないでしょうか。素早く一撃を出す時もあれば、軽いパンチを繰り返すこともあります。猫同士で遊んでいる時にも行います。
いずれにしても、相手に対して爪を出して攻撃するほどではなく、ただ好奇心があってついつい前足を出してしまうのでしょう。
飼い主さんに猫が前足でチョンチョンと軽くたたく、軽い猫パンチをすることもあります。これは「遊んでよ」という猫からのお誘いです。そんな時はオモチャなどで猫とコミュニケーションを取ってみるといいでしょう。
また、パンチまではいかずとも、気になったものをチョンチョンとつつくしぐさもします。これも好奇心の表れです。
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