フトアゴヒゲトカゲの体色が変わる主な理由は、「感情」「温度」「脱皮」の3つが考えられます。フトアゴヒゲトカゲは、怒りなどの感情の変化によって顎の下が黒くなったり、温度の変化が影響して体色が変わったりします。また、脱皮の時期には、体全体が白っぽくなることもあります。
フトアゴヒゲトカゲの色が変わる3つの理由
発情期や怒りによって体色が変わる
フトアゴヒゲトカゲのオスは、発情期になると顎の下から腹部にかけて体色が黒くなります。この時期のオスは、メスのフトアゴヒゲトカゲを見掛けると、「ボビング」と呼ばれる頭を上下に動かす仕草を見せるようになります。
また、フトアゴヒゲトカゲは、威嚇する時も顎の下が黒くなることがあります。それと同時に顎を膨らませて怒りをあらわにします。
怒りや不満など感情の影響で体色が変わる度合いは個体差があり、フトアゴヒゲトカゲによっては口を開ける、顎を膨らますなどの威嚇行動はあっても、顎の下の体色変化が見られない個体もいます。
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フトアゴヒゲトカゲが頭を上下に振るなどの仕草については、以前に書いた記事があるので、合わせてご覧ください。
温度によって体色が変わる
フトアゴヒゲトカゲは、温度が上がると体色が明るい色に変わり、温度が下がる体色が暗い色に変化するという性質があります。
温度変化によってフトアゴヒゲトカゲの体色が変わる理由については、まだはっきりと解明されていません。一説によれば、温度が下がると熱を吸収しやすくするために体色を黒くするという考えもあるようです。
日向で日光浴をすることで体色が明るい色に変わり、岩陰でクールダウンすることで体色が暗い色に変化するので、結果的な効果ではありますが、周囲の風景に溶け込んで天敵から身を守る「カモフラージュ(擬態)」としても機能するのではないかと推測できます。
因みに、フトアゴヒゲトカゲは、周囲の明るさや色味ではなく、温度変化に反応して体色が変わります。また、発情期や怒りなどで黒く変化する、フトアゴヒゲトカゲの顎の下から腹部にかけては、温度変化によって体色が変わることはありません。
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脱皮によって体色が変わる
フトアゴヒゲトカゲは、脱皮の時期に古い角質が浮かび上がることで、体色が白っぽく鈍い色に変わることがあります。
フトアゴヒゲトカゲの皮膚は、タンパク質の一種であるケラチンで形成されています。皮膚の細胞からケラチンが過剰に分泌されることで、細胞が死滅し硬い表皮が出来上がります。
フトアゴヒゲトカゲに限らず、脱皮の習性がある爬虫類や両生類は、ケラチンの分泌が弱まる時期があります。これによって生きている皮膚細胞と死滅した細胞の表皮との間に隙間ができ、古い角質がまとまって剥がれ落ちるのが脱皮の仕組みです。
因みに、人間の皮膚もケラチンで形成されていて、古い角質が剥がれ落ちる原理は同じです。ただし、人間の場合はケラチンの分泌が弱る時期がないので、古い角質は細かい垢となって剥がれ落ちます。つまり、言い方を変えると、フトアゴヒゲトカゲの脱皮は、人間で言う垢のようなものなのです。
フトアゴヒゲトカゲの脱皮については、以前に書いた記事があるので、合わせてご覧ください。
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