フトアゴヒゲトカゲは頻繁に鳴く動物ではないので、体の動きで気持ちを伝えようとします。その代表的な仕草が「ボビング(頭を上下に振る)」と「アームウェービング(腕を回す)」です。今回は、この2つの仕草に込められた意味について紹介します。
フトアゴヒゲトカゲが頭を上下に振る意味
フトアゴヒゲトカゲが頭を上下に振る仕草は「ボビング」と言い、相手を威嚇する時やオスが求愛する時に見せる行動です。
威嚇行動
フトアゴヒゲトカゲのオス同士は自分の方が上位であること示すために、お互いに激しく頭を上下に振ります。それと同時に口を開けたり、顎を膨らませたりして、自分の方が大きく強いことを示します。
そのまま噛みついてケンカになってしまうこともあれば、気の弱い方が降参を意味する「アームウェービング(腕を回す仕草)」を見せて、争いを回避することもあります。このようにフトアゴヒゲトカゲのオス同士は争うことが耐えないので、多頭飼いする場合は別々のケージで飼育することが基本です。
ボビングはオスのフトアゴヒゲトカゲに多く見られる仕草ですが、気の強いメスのフトアゴヒゲトカゲでも、頭を上下に振って怒りを表すことがあります。
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求愛行動
ボビングは発情期のオスのフトアゴヒゲトカゲが、メスに対しての求愛行動として行うことがあります。個体にもよりますが、発情期のオスは顎の下の部分が真っ黒に変色し、メスを見かける激しく頭を上下に振ってアピールします。
しかし、全ての個体が顎の部分が黒くなるわけではなく、中には全く変色しないオスもいます。また、メスのフトアゴヒゲトカゲの場合は、怒ってボビングしたとしても顎が黒くなることはありません。
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フトアゴヒゲトカゲが腕を回す意味
フトアゴヒゲトカゲが前足を回す仕草は「アームウェービング」と言い、相手に対して敵意が無いことを伝えるための行動です。また、オスからの求愛をメスが応じる意味で行うこともあります。腕を意味する”アーム”という言葉が使われているので、ここでは分かりやすく、フトアゴヒゲトカゲの”腕を回す”仕草と表記しています。
敵意が無いことを示す
フトアゴヒゲトカゲのオス同士の縄張り争いは、お互いに頭を上下に振ってボビングの応酬の末に、弱い方が腕を回すことで自ら敗北を示します。ただし、これはお互いの体の大きさが同じくらいのオス同士の場合です。
自分の方が体が小さく負けることが分かっているフトアゴヒゲトカゲは、大きな体のフトアゴヒゲトカゲに対して威嚇行動のボビングすること無く、初めからアームウェービングをして敵意が無いことを示します。ですから、フトアゴヒゲトカゲが腕を回す仕草は、無用な争いを避けるための平和的な行動でもあるわけです。
フトアゴヒゲトカゲのアームウェービングは、相手から視線を反らして片方の腕をゆっくりと回します。回す腕はどちらか一方だけというわけではなく、腕を上げているのが疲れた逆の腕を回すという具合です。
それでは、なぜ敵意がないことを示すために、フトアゴヒゲトカゲは腕を回すのでしょうか。これについてははっきりとは分かりかねますが、フトアゴヒゲトカゲが腕を上げた姿勢は、すぐに移動して攻撃することができない状態でもありますし、急所である腹部を見せた無防備な状態でもあります。
もしかすると、腕を上げることが重要であって、腕を回しているのはバランスをとっているだけなのかもしれません。いずれにせよ、これについては推測にすぎません。個体によっては、何度も腕を上げては回すことを繰り返し、数分間アームウェーブングを続ける子もいます。
オスの求愛にメスが応じる
フトアゴヒゲトカゲの求愛は、発情期を迎えたオスが激しく頭を上下に振ることでアピールし、それに対してメスが求愛に応じた場合は、ゆっくり腕を回すことで同意を示します。ですから、オスのボビングとメスのアームウェービングは、繁殖において重要な仕草と言えます。
お目当てのメスに熱視線を送りながらボビングするオスに対して、メスは視線を反らしながら優雅にアームウェービングをして応じます。
フトアゴヒゲトカゲの90㎝ケージ
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