ハムスターを飼育していると、急に狂暴化して飼い主さんの手を噛むようになったということがよくあります。噛み癖の直し方が書かれたネットの情報では、「動物性タンパク質を与える」「手に慣れさせる」などの対処法が紹介されていますが、そもそも、ハムスターが噛むようになった理由は、もっと根深いところにあるように思えます。
ハムスターが噛むようになった理由
フランスのストラスブール大学(University of Strasbourg)のマチルド・ティシエ(Mathilde Tissier)氏が率いる研究チームの調査によると、ハムスターはビタミン不足で狂暴化することが報告されています。(参考資料:AFP BB News)
この調査内容を簡単に説明すると、ハムスターに同じ食べ物だけを与える単調な食事(研究では主にトウモロコシを与えた)を続けると、ビタミンB3(ナイアシン)の不足により、ハムスターが狂暴化し共食いをするという衝撃的な内容です。
このことから、ハムスターが噛むようになった理由の1つとして、毎日の食事による影響が考えられます。この研究によると、ハムスターが狂暴化した理由は、栄養が偏った食事での空腹によるものではなく、ビタミンB3の欠乏からくる神経系の変化によるものだと発表されています。その変化によりハムスターが、人間で言う精神症状に近い状態に陥ると考えられています。
また、ビタミンB3が不足したハムスターは、無闇にぐるぐる走り回ったり、巣箱に登ったり、巣箱を叩いたりと、異常行動の兆候が見られたということも報告されています。
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ハムスターの噛み癖の直し方
ハムスターが噛むようになった理由が、ビタミンB3の欠乏による場合は、ネット上でよく紹介されている噛み癖の直し方の「動物性タンパク質を与える」「手に慣れさせる」などの対処法では、なかなか直すことは難しいです。
ハムスターに与える食事が原因なので、「手に慣れさせる」という対処法は有効ではないように思えますし、「動物性タンパク質を与える」という対処法は良いように思えますが、食事による直し方なので、長期間続けなければ効果は期待できないように思えます。
ハムスター飼育において、動物性タンパク質を含む餌の種類は、ミルワーム(幼虫)やササミ、煮干しなどがあります。ビタミンB3は、タンパク質、脂質、炭水化物の代謝を促す作用がある栄養素です。ですから、動物性タンパク質とビタミンB3を一緒に摂取することが望ましいです。
ビタミンB3は、肉類や魚類に含まれているので、ハムスターにミルワーム(幼虫)やササミ、煮干しなどを与えている場合は、動物性タンパク質とビタミンB3を同時に摂取できていると言えます。ですから、バランスの良い食事を継続できるかどうかが問題なのかもしれません。
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ハムスターの噛み癖の直し方としては、「動物性タンパク質」と「ビタミンB3(ナイアシン)」の両方を配合したハムスター専用フードがあるので、1ヶ月程度与え続けてみると良いと思います。ハムスターが噛むようになった理由は、ビタミンB3不足以外にも様々ことが考えられ、その子の性格によるところも大きいので、必ず効果があるとは言えませんが、一度試してみる価値はあるように思えます。
「動物性タンパク質」と「ビタミンB3(ナイアシン)」配合のハムスター専用フード
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