ハムスターを飼育されている方であれば、ハムスターが口と前足を懸命に動かして毛づくろいをする可愛い仕草を見たことがあると思います。
ハムスターにとって毛づくろいは、とても重要な習慣あり、その行動には様々な意味があります。いつもより長い間グルーミングをしていたり、激しい毛づくろいを頻繁に繰り返している場合は注意が必要です。
ハムスターが毛づくろいをする意味
体を清潔に保つ
ハムスターの体毛は皮膚を守る役割があります。毛づくろいをすることで、体毛に付着したチリやホコリを取り除いて体を清潔に保ち、皮膚のトラブルの予防をしています。
体毛に付いた汚れだけではなく、不要になった抜け毛をグルーミングで取り除く意味でも重要なことです。
ニオイ付けのため
ハムスターは縄張り意識が強い動物で、繁殖の時期以外は基本的に単独行動で生活します。日頃から毛づくろいをすることで、自分の体にニオイを付けて自分の存在を主張しています。
ハムスターのお腹のくぼんだ部分にはニオイを分泌する臭腺があり、この部分を舐めながら手足や頭などにニオイを付けていきます。
たとえば、ハムスターが飼い主さんに遊んでもらった後に、自分のニオイが薄れていると感じた場合は、長い時間激しいグルーミングをすることがあります。しっかりと毛づくろいを行ってニオイ付けをしているのです。
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リラックスするため
ハムスターは食後などの、リラックスした時間に毛づくろいを行うことがあります。
また、ハムスターが、突然大きな物音を聞いて驚いたり、足を滑らせて軽い失敗をしたりした時など、緊張状態をほぐす意味でも毛づくろいをすることがあります。
このような行動はハムスターの他にも猫や猿など様々な動物に見られます。攻撃か逃避の選択に迫られるなど、葛藤状態に陥った時に、それらとは全く関係のない第三の行動をとることを「転位行動(てんいこうどう)」と言い、毛づくろいやあくびなど、一見関係ない行動をすることで、葛藤状態を軽減しています。
体温調節をするため
ハムスターは人間と違って汗腺がほとんどないため、汗の蒸発によって気化熱が奪われて体温を下げることが困難です。ハムスターは、腰の両脇にだけ汗腺があります。
そのため、毛づくろいをすることで体温調節をすることがあります。舐めて付けた唾液を気化させて夏場は体温を下げています。また、寒い冬場は、グルーミングによって体毛をふんわりさせて、体毛の間に空気を取り込むことで体を保温させています。
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ハムスターが頻繁に激しい毛づくろいを繰り返す時は…
ハムスターが毛づくろいをすること自体は、正常な行動で全く問題はありませんが、頻繁に激しい毛づくろいを繰り返す時は、その原因になっていることを改善する必要があります。
すでに述べていますが、ハムスターは精神的に負担がかかった時に、緊張状態を軽減させる意味で毛づくろいをすることがあります。たとえば、ケージ内が汚れているなど、飼育環境に問題がある場合は、ハムスターにとって負担になります。
その他にも、近所で工事中なので物音がうるさかったり、芳香剤を新しいものに変えたり、引っ越して部屋のニオイが変わったり、環境の変化が原因でハムスターが頻繁に毛づくろいをしていることも考えられます。ハムスターに精神的な苦痛を与えてしまっていないか、もう一度飼育環境を見直してみましょう。
ハムスターの気持ちは鳴き声の種類で分かることがあります。以前にハムスターの鳴き声の意味について書いた記事があるので、合わせてご覧ください。
ハムスターのミックスフード
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