今まで飼い主さんにベタ惚れだったシマリスが、ある日突然噛むようになることがあります。シマリスは季節によって凶暴化する時期があり、この期間は通称「タイガー期」と呼ばれています。今回はシマリスが噛む理由とタイガー期の対処法について紹介します。
シマリスが噛む理由
シマリスが食事の時以外で噛む理由のほとんどが防衛本能によるものです。野生のシマリスは、天敵の猛禽類などに狙われる弱い立場の動物です。天敵に狙われた際に身を守るための手段が噛むことなのです。
ですから、何の理由もなく自ら進んで飼い主さんを噛むことは考えにくいです。たとえば、飼い主さんがシマリスを必要以上に撫で過ぎてしまったり、シマリスの食事中を邪魔するなど、シマリスの防衛本能が働く何らかの理由があって、シマリスが噛んでいることが多いです。
それに加えて、シマリスは秋から冬にかけて凶暴化する傾向があります。この時期を「タイガー期」と言いますが、それでは、なぜこの時期にシマリスは噛むようになるのでしょうか。
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シマリスの「タイガー期」とは
野生のシマリスは、実りの秋に木の実などを集めて、厳しい冬に備えます。この時期に集めた食料を守るために、シマリスは凶暴化すると言われています。ペットとして飼育されているシマリスにも同様の習性があり、巣箱の中に溜め込んだ餌を守るために攻撃的になる傾向があります。
この時期を愛好家の間では、通称「タイガー期」と呼んでいます。呼び方の由来は定かではありませんが、おそらく可愛いシマリスがトラのように凶暴化するということなのかもしれません。シマリスとトラがどちらも縞模様であるという類似も面白いです。
シマリスの種類は20種以上存在し、アジアにも生息していますが、その多くは北アメリカに分布しています。冬の時期になると、凶暴化した野生のリスが公園にいた人を噛むというニュースが報道されるほど、この時期のリスは自分の縄張りに入ってくる相手を見境なく攻撃してきます。(参考資料:米NYでリス狂暴化!襲撃相次ぐ AFPBB News)
シマリスのタイガー期の期間は、個体や飼育環境によって異なりますが、大抵は10月頃から凶暴化し、来年の2月頃には元に戻ることが多いです。シマリスのタイガー期を初めて目にする場合は驚くかもしれませんが、秋から冬にかけての一時的な変化であって、来年の春には穏やかなシマリスに戻ることがほとんどです。
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シマリスの「タイガー期」の対処法
タイガー期にシマリスが噛む理由は、溜め込んだ餌を守るためなので、定期的に巣箱の掃除を行って餌を溜め込まないようにしたり、冬支度を感じさせないように室内の温度を暖かく保つことで、凶暴化が緩和するという意見もあります。
しかし、凶暴化の程度はシマリスの個体差によるところが大きく、このような対策で全く噛まなくなるということは難しいです。タイガー期のシマリスは必要なお世話だけして、あとはそっと見守ってあげるのが無難です。
タイガー期の対応で最も困るのがケージの掃除です。凶暴化したシマリスは、飼い主さんがケージに手を入れただけで噛むことがあるからです。シマリスの噛む力は非常に強く、本気で噛まれると流血するほど痛いです。
ケージの掃除の際には、手袋を着用することが望ましいです。厚手の手袋の上にさらに大き目のゴム手袋を着用すると、シマリスがゴム手袋の部分を噛むだけで済むことがあります。
シマリスに噛まれないように、ケージの掃除をする前にシマリスを他の入れ物に移動させる必要があります。複数のケージを持っている場合は、掃除をしている間は、シマリスを他のケージに移動させます。複数のケージが無い場合は、プラスチックの衣装ケースや大き目の段ボール箱などで代用しても良いでしょう。
シマリスの部屋んぽ中にケージの掃除をする場合は、シマリスが飼い主さんの足を噛むことがあるので、室内用の靴を履くなどして対処すると良いと思います。
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