主に陸に生息する「リクガメ」。陸と川や沼に生息する「ミズガメ」。海に生息する「ウミガメ」。これらは生息域が異なること以外にも、様々な違いがあります。今回はカメの生態の違いについて解説していきます。
カメの進化は陸から海へ
生命は海から誕生して、進化と共に生息域を陸へと広げてきたというイメージを持っている方もいると思いますが、カメは陸から海へ移動すると共に進化してきた動物だと考えられています。
世界最古のカメの化石は2億2000年前の地層から発見されており、このカメは陸に生息していたと考えられています。そして、世界最古のウミガメは、1億1000万年前の地層から発掘されています。
このことからも推測できるように、ウミガメの祖先となるカメも、もともとは陸で生活していて、それから徐々に生息域を海に移していったというのが定説になっています。
ただし、考古学の分野では新しい化石が発見されて、これまでの定説が覆されるのはよくあることなので、それを含めて考える必要があります。また、動物の進化とは、生息する環境の変化に適応することによって起こるものなので、進化前の動物より進化後の動物の方が有能というわけではありません。
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「リクガメ」と「ミズガメ」と「ウミガメ」の違い
リクガメとミズガメとウミガメには様々な種類がいて、以下で述べている違いが当てはまらない種類もいますが、ここでは一般的なカメの生態の違いについて紹介していきます。
リクガメ
頭部と四肢を引っ込めることができる。
太く丈夫な足に鋭い爪がある。
甲羅が形状がドーム型をしている。
草食性。
産卵は1回に3~5個産む。
ミズガメ
頭部と四肢を引っ込めることができる。
指の間に水かきがある。
甲羅のカーブがやや緩やか。
植物食傾向の強い雑食。
産卵は1回に20個ほどの卵を3回に分けて産む。
ウミガメ
頭部と四肢を引っ込めることができない。
足がヒレのような形をしている。
甲羅のカーブが緩やか。
動物食傾向の強い雑食。
産卵は1回に30ほどの卵を3回に分けて産む。
ウミガメは頭と足を引っ込めることができない
リクガメとミズガメは甲羅の内部に頭部と四肢を引っ込めて身を守ることができますが、ウミガメは引っ込めることができないという違いがあります。
ミズガメの足には水かきがある
リクガメは地面に穴を掘って巣を作る習性があるので、太くて丈夫な四肢に鋭い爪が生えています。ミズガメの指の間には水かきがあり、川や沼での移動を容易にしています。ウミガメの足はヒレような形をしているので、速く泳ぐことができます。
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甲羅の違い
カメの甲羅の形状は種類によって異なりますが、一般的に陸→川→海へと生息域が移るにつれて、ドーム型の甲羅のカーブが緩やかになっていく傾向があります。これは水中での移動の際に、甲羅の抵抗を減らすためだと考えられています。
また、ウミガメの種類の中には、水圧に耐えられるように、甲羅がゴムのように柔ないウミガメもいます。
食性の違い
食性についてもカメの種類によって異なりますが、一般的に陸→川→海へと生息域が移るにつれて、植物食から動物食が強くなる傾向があります。
リクガメは主に植物の葉や花、果実を食べます。ミズガメは植物に加え、貝類や甲殻類、昆虫なども食べます。ウミガメは貝類や甲殻類、クラゲなどを好んで食べます。
産卵の違い
リクガメとミズガメとウミガメは全て地中に穴を掘って産卵しますが、卵を産む数に違いがあります。一般的に陸→川→海へと生息域が移るにつれて、卵を産む数が多くなる傾向があります。
リクガメの産卵は1回に3~5個くらいです。ミズガメの産卵は1回に20個ほどの卵を3回に分けて産みます。ウミガメの産卵は1回に30個ほどの卵を3回に分けて産みます。
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