猫がベッドのフチやソファの肘掛けなどに顎を乗せる姿を見たことがありませんか。これが通称「顎乗せ」です。猫が顎を乗せている時はリラックスしていることが多く、そのまま顎をつけて寝る猫も少なくありません。今回はそんな猫の顎乗せの意味と理由について紹介します。
猫が顎を乗せる意味と理由
「顎乗せ」の姿勢が楽だから
猫が顎を乗せる意味として真っ先に考えられるのは、顎を乗せた姿勢が楽だからということが挙げられます。背中を丸めた猫背の姿勢で前屈みになると、重い頭を支えるために首から肩にかけて負担がかかります。そんな時に顎の下に支えになるものがあれば楽な姿勢を保てます。猫がソファの肘掛けの部分にチョコンと顎を乗せたり、時には飼い主さんの腕や足に顎を乗せる猫もいます。これが通称、猫の「顎乗せ」です。
猫は顎を乗せるものがない時は、自分の前足の上に顎を乗せてリラックスしている姿もよく見かけます。そのままうとうとと寝てしまうこともよくあります。猫が自分の前足で顎の高さを調整するくらいなので、猫にとって顎を乗せている状態が楽な姿勢なのがよく分かります。
人間でも体を横にした時に頭を乗せる枕があると、首や肩の負担が軽減されて楽な姿勢を保てるのと似たようなことです。重い頭を支えるという意味では、猫背の人が頭を支えるために頬杖をつくのとも似ています。
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テリトリー主張
猫の体や頭には、臭腺(分泌腺)といって、におい物質を出す場所があります。猫は自分のにおい物質を擦りつけることでテリトリーを主張しています。つまり、マーキング行為の一種なのです。家具や飼い主さんにスリスリするのも基本的には同じ理由です。「ここはオレのテリトリーだ」「飼い主さんは私のものよ」と主張するために行っているのでしょう。
猫の顎下にもにおい物質を出す臭腺があります。家具や人に頭を擦りつけるのと同様に、顎を乗せることでにおいを擦りつけて、自分のテリトリーだと主張していることが考えられます。時々、家具を嗅いでいるのは、自分のにおいが残っているかを確認するためです。においがなくなってきたら、再びスリスリして自分のにおいをつけていきます。もしも、猫が顎を乗せる前に乗せるもののにおいを嗅いでいたら、その後に行う顎乗せがテリトリー主張を意味しているかもしれません。
猫が頭や体をこすりつける理由については以前に書いた記事があるので、こちらの記事も合わせてご覧ください。
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猫が顎をつけて寝るのはなぜ?
顎を落とした状態というのは、簡単には動きにくい体勢です。警戒心の強い猫が顎を乗せる状態は、気が緩んでいる証拠でしょう。猫が顎をつけて寝ているのであれば、心からリラックスしていることを意味しています。顎を乗せる場所が信頼できる飼い主さんの腕や足であれば、なおさら安心できるわけです。
猫は自分のにおいがついた場所は安心できるものです。顎を乗せることで「ここはオレのものだ」とテリトリー主張ができて、楽な姿勢も保てるので、猫が変わった姿勢で顎をつけて寝る姿をよく見かけます。ちなみに、猫は柔軟性が高いので、少々変な体勢で寝ても寝違えたりはしません。
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