ケヅメリクガメは、飼い始めの赤ちゃんの頃は手のひらに乗るくらいの小ささですが、成長すると甲長が60~70cmほども大きくなり、体重は30kgを超える個体もいます。そのため、成長と同時にどんどん餌の量が増えていき、それに伴い食費も増加していくことになります。
近年の爬虫類ブームによってケヅメリクガメを飼育する方は増えていますが、それと同時に飼育を放棄してしまう飼い主さんも少なくありません。飼育放棄の理由は様々ですが、食費がかかり過ぎて経済的に面倒みきれないということが理由の1つとして挙げられます。
しかし、ケヅメリクガメの愛好家は全国に大勢いらっしゃって、それぞれが餌代を抑える工夫をしているものです。ケヅメリクガメを最後まで責任を持って育てるためにも、飼育のコツを知っておくことが大切です。
ケヅメリクガメの餌の量
ケヅメリクガメの餌やりは朝に1回程度ですが、その1回に食べる餌の量が成長と伴にどんどん多くなります。個体差はありますが、体重30kg以上に成長したケヅメリクガメでしたら、キャベツ1個をペロリとたいらげてしまいます。
キャベツ1個は約1200gなので、そのくらいの山盛りになった野菜を1回の食事に必要なことがイメージできると思います。(※ キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には、ゴイトロゲンという言うケヅメリクガメの健康にあまりよくない成分が含まれているので、与える頻度に気を付けるようにしましょう。)
ケヅメリクガメの食費の目安
1ヶ月分の食費の目安・・・18,270円
(主食:小松菜、副食:キュウリ)
ケヅメリクガメに必要な餌の量は、成長段階によって異なるため一概に言えますが、1日に必要な餌の量が野菜1200g(キャベツ1個分)と仮定します。キャベツ1個の平均価格は167円なので、1ヶ月の食費は5,010円になります。
しかし、実際には毎日キャベツだけを与え続けて飼育することは有り得ないので、分かりやすく主食を小松菜、副食をキュウリとして考えて、1ヶ月の食費を算出してみます。(※ 実際の飼育は、もっとたくさんの種類の野菜や果物を与えることになります。)
小松菜1束(233g)の平均価格は111円です。キュウリ1本(100g)の平均価格は58円です。これらを合わせると、333gの野菜が169円になります。これを1日に必要な餌の量の野菜1200g(キャベツ1個分)準備すると、1日の食費が609円かかるので、1ヶ月の食費は18,270円になります。
ただし、野菜の価格は季節や気候の影響によって変動するので、1ヶ月の食費は18,270円というのは、あくまで一例にすぎません。また、ケヅメリクガメの飼育はキャベツ、小松菜、キュウリ以外にも様々な種類の野菜や果物、野草などを与えるものです。今回は分かりやすく小松菜とキュウリのみに絞って算出してみました。
また、ケヅメリクガメの飼育には、補助的にカルシウム剤を使用したり、リクガメフードを与えたりすることもあるので、それらの金額が食費に加わることもあります。
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ケヅメリクガメの食費を抑える方法
結論から言うと、ケヅメリクガメの食費を抑える方法は、春から秋にかけては、自分で野菜を栽培したり、野草を採取・栽培するなどして、できるだけ自給するようにします。そして、冬は、自分で野菜を栽培できないですし、野草も枯れて採取できないので、ハウス栽培の市販の野菜を購入するという方法になります。
上手に自給できれば、春から秋にかけてのケヅメリクガメの食費がほぼ無料になり、冬場の数ヵ月のみの出費で済みます。
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家庭菜園で野菜を作る
庭やプランターを使って家庭菜園で野菜を作ることで、ケヅメリクガメの食費を抑えることができます。必要な野菜を自分で作ることで、ケヅメリクガメの成長に適した野菜を作ることができたり、無農薬にこだわることもできます。
ケヅメリクガメの甲羅は、主にリン酸カルシウムで形成されているので、それを合成するために必要なリンとカルシウムの摂取が大切です。リンとカルシウムの摂取比率は「リン:カルシウム=1:5」が理想です。どちらか一方を摂り過ぎてもいけません。
「リン:カルシウム」の比率が良い野菜
小松菜(1:5.3)
大根の葉(1:5)
チンゲン菜(1:3.9)
モロヘイヤ(1:2.4)
※ ネギ、玉ネギ、ニラなどのネギ科の野菜をケヅメリクガメに与えるのはNGです。
野草を採取・栽培する
自然界に生息しているケヅメリクガメの本来の主食は野草です。ですから、野草を餌として与えて飼育する方法は、より自然な育て方と言えます。ケヅメリクガメはアフリカに生息する動物ですが、日本に自生する野草の中には、ケヅメリクガメが食べても大丈夫な種類がいくつかあります。
ケヅメリクガメが食べても良い野草
カラスノエンドウ
シロツメクサ(クローバー)
セイヨウタンポポ
オオバコ
ヤブガラシ
カラムシ
クワの葉 など
※ 野草のノビルもネギ科の植物なのでケヅメリクガメの餌としてはNGです。また、シダ類の植物をケヅメリクガメが食べてしまうと中毒を起こす恐れがあるので、絶対に与えないようにしてください。
野草の選別は「Google Lens」というアプリを使うと便利です。この機能はGoogle Photoに入っています。「Google Lens」は、Googleが開発した画像認識アプリです。写真に撮った動植物や食べ物などを判別して、その詳細を調べることができます。
ただし、「Google Lens」で判別できる画像は10億以上と言われていますが、100%正しく判別できるわけではないので注意してください。見付けた野草の葉だけを写して調べてみたり、花だけ写して調べてみたり、慎重に画像判別してみると良いでしょう。
また、野草を発見してもすぐにはケヅメリクガメに与えず、その野草の自生地帯に除草剤が撒かれていないかをしばらく様子を見て、安全なことを確認してから餌として与えるようにしましょう。
野草は放っておいてもどんどん成長して増えてくれるので、自分で野草を栽培しても手間がかかりません。体重30kgを超えるケヅメリクガメの餌の量は、おそらく栽培している野草の量では追い付かないくらい、たくさん食べますが、いろいろな種類の野草を栽培していると、野草の種類の好みなども分かってきます。
また、クワの木を植えて育てるのもおすすめです。クワの葉には甲羅の成長に良いとされるカルシウムが豊富に含まれているので、ケヅメリクガメの餌に適しています。
リクガメの栄養バランスフード
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