今回は、イタチとカワウソの違いについて紹介します。ペットのフェレットやカワウソなどは大きく見るとイタチの仲間になります。イタチの仲間と言える動物が、進化の過程で陸、川、海へと生息地を移動していったと考えられています。
イタチとカワウソの違い
イタチ
哺乳綱-食肉目-イタチ科-イタチ属
陸上に生息する
水かきがない
カワウソ
哺乳綱-食肉目-イタチ科-カワウソ亜科
陸上と水中の両方で活動する
水かきがある
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分類上の違い!カワウソはラッコに近い
イタチとは、イタチ科イタチ属に分類される動物の総称で、ニホンイタチやチョウセンイタチなどの他に、フェレット、オコジョ、イイズナ、ミンクなどもイタチ属に含まれます。見た目がよく似ているテンやクズリはイタチ亜科に分類されますが、いずれも類縁関係が近い動物と言えます。
カワウソも大きく見ればイタチの仲間で、そこから派生したカワウソ亜科に分類される動物です。カワウソ亜科には、その他にもラッコなどが含まれています。
水中での活動を得意としているカワウソは、陸上のみに生息するフェレットやミンクなどよりも、どちらかと言うと、カッコの方が類縁関係が近いと言えます。分類上もカワウソとラッコは同じカワウソ亜科に属してします。
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生息地の違い!陸から川、海へと進化
もともとイタチの仲間の動物は、陸上で暮らしていましたが、進化の過程で川や海で活動できる種類が出現してきました。陸上だけではなく水中でも活発に活動できる種類がカワウソで、陸での生活に依存することなく、海上のみの生活ができるようになったのがラッコだと考えられています。
陸上と水中を行き来するカワウソの四肢には、水かきがあります。ラッコの後脚の水かきは、さらに進化して魚のヒレのようになっています。
また、水中での生活に適応して、鼻孔や耳孔を閉じることができます。そして、カワウソ亜科に属する動物うち、ラッコだけが陸上で活動せずに海上のみに生息するという特徴があります。
イタチやカワウソに限らず、動物が生息地を移動する理由については、様々ことが考えられますが、代表的な理由の1つとして「食べ物を求めて移動する」ということが挙げられます。
イタチとカワウソの食性は、どちらも動物食が強い雑食です。基本的には、魚やカニなどの甲殻類、カエルなどを食べる肉食ですが、時にはヤマブドウなどの植物の果実も食べることがあります。
フェレットとカワウソの臭い違い
フェレットやカワウソに限らず、食肉目に属する動物のほとんどが、強い臭いを放つ液を溜める臭腺を持っています。この臭腺からの分泌液は、糞尿に混ざって体外に分泌されます。この臭いは、自分のテリトリーを示すマーキングに使われます。
しかし、日本国内のペットショップで販売されているフェレットの多くは、すでに臭腺除去、去勢・避妊が施されていることがほとんどなので、個体差はありますが、あまり臭いは気になりません。
フェレットは、他のイタチ科の動物とは違い、野生のヨーロッパケナガイタチを家畜化されたものなので、人間とフェレットとの関わりはとても古く、古代ギリシャまたは古代エジプトが起源とされています。ペットとしての歴史が長い種類なのです。
一方、カワウソはペットとして飼うことは比較的少なく、水族館で飼育しているカワウソは自然に近いことが重要なので、臭腺除去を行いことありません。ですから、独特の獣臭がします。
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