フトアゴヒゲトカゲの飼育において、様々な素材の床材が使われることがありますが、どのような床材を使用したとしても最も注意すべきは床材の誤飲対策です。今回は、フトアゴヒゲトカゲの誤飲対策としておすすめの床材の「ソイル」と「クルミサンド」を紹介します。
フトアゴヒゲトカゲの床材は誤飲対策が必要
ベビー期のフトアゴヒゲトカゲの飼育はキッチンベーバーやペットシーツを使うことが多いですが、成体になったフトアゴヒゲトカゲにはソイルやチップ、サンドなどの床材を使用するのが一般的です。
これらの床材は、キッチンペーパーと比べて保湿や消臭効果が期待できる一方で、誤飲の危険性がどうしても拭えないところがあります。
ですから、フトアゴヒゲトカゲの床材の誤飲対策は、万が一床材を食べることがあっても心配の少ない素材を選ぶことが重要です。
たとえば、鉱物を砕いたサンド(砂)の床材を誤飲してしまった場合は、体内に砂が溜まるわけですから危険性は高まります。また、ハスクチップ(ヤシの実を砕いたもの)の床材は、粒が大きいため誤飲すると体内に詰まらせてしまう恐れがあります。
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餌やりの時に床材を誤飲することが多い
フトアゴヒゲトカゲが床材を誤飲してしまうのは餌やりの時に多いです。たとえば、ピンセットで生餌を与えようとしたら生餌が逃げて、フトアゴヒゲトカゲが床材と一緒に生餌を飲み込んでしまうことがあります。
また、水洗いした野菜を与える時に、濡れた野菜に床材がくっついて、そのまま一緒にフトアゴヒゲトカゲが食べてしまうことがあります。洗った野菜はしっかりと水気を取ってから与えるようにしましょう。
このようなことから、フトアゴヒゲトカゲの床材は、万が一誤飲しても心配が少ない「ソイル(土を粒状に固めたもの)」と「クルミサンド(クルミの殻を細かく砕いたもの)」がおすすめです。そのおすすめする理由を1つひとつ述べていきます。
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フトアゴヒゲトカゲの床材に「ソイル」をおすすめする理由
ソイルは、土を高圧で固めて粒状にした床材です。固められた粒が崩れると元の細かい土に戻ります。ですから、万が一フトアゴヒゲトカゲが誤飲したとしても、体内で粒が崩れてそのまま排泄できれば心配は少ないです。
ただし、ソイルを大量に食べてしまった場合は危険性が高まるので、ベビー期やヤング期のフトアゴヒゲトカゲには使用しない方が無難です。
ソイルの最大のメリットは消臭効果です。土にはバクテリアが付着しているので、フトアゴヒゲトカゲの糞尿から出る嫌な臭い成分を分解してくれます。バクテリアが足りない場合は、バクテリアが含まれたスプレーを床材に吹きかけて増やすこともできます。
床材にソイル使うと、フトアゴヒゲトカゲが糞尿をした部分を取り除くだけで済むので掃除が簡単です。ソイルのように暗い色の床材を使うと、フトアゴヒゲトカゲの色がくすんで見えてしまうという意見もあるようですが、ケージ内に土を敷き詰めているのでとても自然な雰囲気になり見栄えが良いです。
爬虫類専用のソイル
バクテリアスプレー
フトアゴヒゲトカゲの床材に「クルミサンド」をおすすめする理由
クルミサンドは、クルミの殻を細かく砕いたものです。クルミは天然素材なので、万が一フトアゴヒゲトカゲが床材を誤飲してしまったとしても心配が少ないです。ただし、天然の植物素材だとしても大量に誤飲してしまうことがあれば危険性が高まります。
クルミサンドをベビー期やヤング期のフトアゴヒゲトカゲの床材として使わないことは勿論ですが、成体のフトアゴヒゲトカゲに使うとしても、できるだけ粒の細かいクルミサンドを選んだ方が、誤飲した時に体内に詰まりにくいです。クルミの殻を原料にした床材は各メーカーでいろいろな商品が販売されていますが、ここでは比較的粒の細かいクルミサンドをおすすめしておきます。
ソイル(土)に比べるとクルミサンド(クルミの殻)は消臭効果は劣りますが、保湿性はそれほど差がありません。そもそもフトアゴヒゲトカゲを飼育する環境はライトやヒーターによって温められているので、床材に霧吹きをしてもすぐに乾いてしまいます。特に空気が乾燥する冬場は、ソイルでもクルミサンドでもこまめに霧吹きする必要があります。
比較的粒の細かいクルミサンド
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