爬虫類の脱皮という蛇の脱皮のようにまとまった皮を脱ぎ捨てるイメージが強いですが、エボシカメレオンの脱皮は、まるで日焼けし過ぎた肌のようにボロボロに皮が剥けて脱皮します。今回は、エボシカメレオンの脱皮の頻度や、幼体と成体の脱皮の違いなどを紹介します。
エボシカメレオンの脱皮の頻度
エボシカメレオンの脱皮の頻度は、1ヶ月に1~2回のペースで脱皮することが多いですが、個体によっては1ヶ月以上脱皮しない場合もあります。エボシカメレオンの脱皮の頻度は非常に個体差があり、その個体の年齢や体調、飼育環境などが影響していることがあります。
エボシカメレオンは、新陳代謝の良い幼体の頃は脱皮の頻度が高く、成熟していくにつれて少しずつ脱皮周期が長くなる傾向があります。脱皮の頻度はエボシカメレオンの体調が影響することもあり、お迎えしたばかりで環境に慣れていなかったり、栄養バランスの良い食事をとっていなかったりすると、なかなか脱皮しないことがあります。
エボシカメレオンの飼育は湿度を60~70%程度に保つことが重要です。乾燥は脱皮不全の原因になるので注意が必要です。また、温度が低すぎると新陳代謝の落ちるので脱皮しにくくなります。エボシカメレオンに適した温度は昼間24~30℃、夜間は16~22℃です。
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エボシカメレオンの脱皮のメカニズム
エボシカメレオンに限らず爬虫類の脱皮は、人間の皮膚から垢が落ちる仕組みと基本的には同じです。動物の皮膚はケラチンというタンパク質の一種でできていて、皮膚の内部にある真皮と、表面にある表皮に分けられています。
表皮の細胞でケラチンが大量に分泌されると、細胞が死滅して硬い層になっていきます。これの硬い層の古い角質で内部の真皮を守っています。
人間の皮膚は常にケラチンが分泌されているので、古い角質と新しい角質が連続して存在し、古い角質が細かく剥がれ落ちますが、エボシカメレオンなどの爬虫類は、ケラチン分泌が弱まる時期が定期的にあるので、古い角質と新しい角質の間に空間ができて、古い角質がまとめて剥がれ落ちる脱皮という現象が起こるのです。
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幼体と成体の脱皮の違い
エボシカメレオンの幼体は新陳代謝の良いので脱皮の頻度が高く、全身の皮が剥がれ落ちますが、成体になるにつれて脱皮周期が長くなっていきます。それでも1ヶ月に1~2回は脱皮することがあるのですが、年齢を重ねていくと、全身の皮が剥けるのではなくて、部分的に皮が剥けるようになります。
幼体の頃は、脱皮が始まると半日程度でボロボロに皮が剥がれていき、遅くても2日くらいで脱皮が完了しますが、成体の場合は体が大きいこともあって、脱皮が完了するまでの時間が長くなります。
成体の場合は、脱皮が始まってから完了するまでに3~4日程度かかることがあります。エボシカメレオンの脱皮は、浮き上がった皮を木などに擦り付けて剥がしていくのですが、どうしてもしっぽの方の皮は剝がれにくいので時間がかかるのです。
しっぽの先や指に脱皮不全が起こると、その部分が壊死して欠損してしまうことがあるので注意が必要です。できることなら、脱皮は自然に任せて行うのが良いのですが、しっぽの先や指の古い皮がなかなか取れない場合は、霧吹きで湿らせてから優しく取り除いてあげると良いでしょう。乾燥した状態で無理に皮を剥がすと痛めてしまうので、このような皮の剥がし方はやってはいけません。
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